どちらの映画も、アナとエルサ&杏奈とマーニーという、ダブルヒロインが登場する点が共通していますが、その説は果たして本物なのか・・・?

その真相とは?

 

 

 
 

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アナ雪の模倣?

「思い出のマーニー」はジブリの作品で初めて、2大巨匠である宮崎駿監督と高畑勲監督が関わっていない作品ということで非常に注目を浴びましたね。

「思い出のマーニー」の制作にあたったのは米林宏昌監督、現在43歳!

米林監督の名前を聞いたことがないという人も多くいるかと思いますが、「借りぐらしのアリエッティ」を手掛けた監督ですね。

米林監督は、石川県出身。

金沢美術工芸大学商業デザイン専攻を中退した後、スタジオジブリには1996年、23歳で入社しました。

 

ジブリの制作実績としては

他にも短編映画『空想の空飛ぶ機械達』では作画監督、『めいとこねこバス』では演出を務めており、かなりオールマイティな方です!

 

それでも、このいきなりの大抜擢には米林監督も困惑したそうなのですが(本作品の企画段階で、宮崎監督から監督を誰にするかと相談され、鈴木プロデューサーが米林監督を推薦、2人して説得したそうです)、宮崎監督がすでに脚本や舞台設定などを途中まで製作しており、それを引き継いだ形での制作となりました。

スタジオジブリでの歴代作品の監督としては、最年少となる36歳!

 

宮崎監督が脚本に徹し、若い米林監督に演出を委ねた理由については、鈴木敏夫プロデューサーによると、

「「借り暮らしのアリエッティ」は宮崎が若い頃に構想した作品。
自分が若い頃に考えていたものを、彼(米林監督)に提供するのが自分の一つの役割なのではないか、とそう考えたから。」

と説明しています。

 

そして完成した「借りぐらしのアリエッティ」では観客動員756万人、興行収入92.5億円を達成!

映画観客動員ランキングでは初登場第1位、2010年度興行収入邦画第1位に輝きました!

つまり米林監督が一から制作した長編映画は、今回の「思い出のマーニー」が初めてなんです。

そして2014年3月14日から全国で公開され、大ヒットを飛ばした「アナと雪の女王」を模倣して制作されたのではないかという都市伝説があるのです。

 

両者に共通しているのは、

  • 公開年が同じであること
  • ダブルヒロインであること

 

映画批評家の前田有一氏によれば

 

「思い出のマーニー」は「アナと雪の女王」の模倣であるという都市伝説は本当なのでしょうか?

 

 

否定できる理由

実はこの都市伝説で否定できる理由は数多くあります。

  • 「思い出のマーニー」には明確な原作がある
  • 「思い出のマーニー」の制作は2012年からすでに始まっていた
  • 米林監督の並々ならぬ情熱

などなどです。

 

 

以下、詳しく説明させて頂きます。

 

「思い出のマーニー」の原作は、1967年に描かれたイギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンによって生み出された児童文学「思い出のマーニー」です。

原作がすでにダブルヒロインであり、原作は女の子1人しかいなかったのに、「アナと雪の女王」を見てから着想を得て急遽女の子をもう1人増やした、などという流れではないということは明らかです。

 

また、「思い出のマーニー」は2012年から制作が開始されています。

米林監督は、本作品の脚本と絵コンテを作るために約20ヶ月もの時間を費やしているんです!

 

「アナと雪の女王」は2010年から制作が開始されています。

2011年公開の「塔の上のラプンツェル」の上映の際に、「Frozen」という映画が2013年から公開されるという情報は出回っていました。

そのため、何らかの方法でジブリがディズニーに偵察をして、「ダブルヒロイン」というキーワードを盗んできて、ダブルヒロインを描いた原作を映画化しようという流れも・・・まあ、流れだけ見れば不自然ではないのですが、ジブリがダブルヒロインを決めたのは制作にあたる米林監督が「女の子を描くことに定評があるから」という理由が決め手だったようです。

 

さらにもう1つ大きな理由があったんです。

鈴木プロデューサーはこう語っています。

 

そこでひらめたのが、前々から宮崎監督が映画化しようとしてきた「思い出のマーニー」!

 

つまり「アナ雪」がなくともジブリには「ダブルヒロイン」にたどり着くピースが揃っていたということです。

 

 

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さらに、制作にあたり米林監督は

と、鈴木プロデューサーに打診しに行き、「思い出のマーニー」が決まってからも宮崎監督が描いていた構想は完全に無視。

独自の構想で制作にあたっています。

 

例えば、話をイギリスから日本に移すにあたり、宮崎監督は瀬戸内を「思い出のマーニー」の舞台にしたら・・と提案していたのですが、米林監督はイギリス特有の、ぼやけたような薄暗い寒い雰囲気は北海道に近い、ということで舞台を北海道に変更したそうです。

実は、北海道はジブリがずっと舞台にするのに避けてきた場所であり、その理由は空がピーカンじゃないから、というもの。

宮崎監督は、雲1つない明るい空を描くのが好きだからなんだそうです。

 

このことからも「やり残したこと」を達成したいという米林監督の強い思いが感じられます。

米林監督は「借り暮らしアリエッティ」の際は宮崎監督が制作したものを引き継ぐという形で制作を進めたため、光栄だと思う一方、やはり監督として一から映画制作をやってみたかったのではないでしょうか?

そのため、もし、万が一、米林監督が製作に行き詰まって何か参考にしたい!と考えたとしても、をすぐそばにある宮崎監督の着想ではなく、ディズニーの着想を採用するというのは考えにくいですよね。

 

「やり残したこと」が何なのかは明らかになっていないのですが、「思い出のマーニー」を制作する際、米林監督は、

「宮崎・高畑の両監督がいなければ、ジブリはこの程度の作品しか作れないのか・・などとは絶対に言わせません!」
「子供に向けたスタジオジブリ作品が作りたい!」

 

前作、前前作と「風立ちぬ」や「かぐや姫の物語」は大人向けな作品が続いたため、原点回帰を目指したかったのかもしれませんね。

 

「杏奈にとってマーニーは、メイやサツキにとってのトトロなんです。
子供の時にだけ訪れる不思議な出会い・・それを僕は描きたい!」

 

と述べ、強い意気込みを感じますし、「思い出のマーニー」西村義明プロデューサーも、本作品が「アナと雪の女王」と同じダブルヒロインとなったことについては、

「絶対に偶然!」

 

を強調しています。

 

 

さらに、

 

「完全無欠の無敵のヒーローがヒロインである女性を救う、というのが定番だった時代がありましたが、徐々に悩めるヒーローをヒロインが支えるという形の映画が出現しました。
今、男性は女性を救えない、というの真理が定着し、女性の問題は同じ女性が解決しなくちゃいけないという概念が生まれていますので、ダブルヒロインの登場は時代の必然性だと思います。」

 

そんな訳で、米林監督が、映画館で「塔の上のラプンツェル」を見に行き、予告編で「アナと雪の女王」を見てダブルヒロインの着想を得た!というのは、相当可能性が低いように思います。

 

 

両者のヒットは対照的

上記のようにパクリ疑惑は完全に払拭できるのですが、この両者には非常に面白い共通点と相違点があります。

共通点としては、まず、どちらも日本での公開が2014年。

そして、ディズニー史上初のダブルヒロインである「アナと雪の女王」

かたや、ジブリ史上初のダブルヒロインである「思い出のマーニー」

 

しかし、この両者には決定的に「ヒット」というカテゴリにおいて差がありました。

映画批評家の前田有一氏は以下のように語っています。

 

 

こうした背景には色々理由があるようです。

上記で宮崎監督が「思い出のマーニー」を映画化しようとしていたという話は記述しました。

しかし、実際には宮崎監督の手では映画化に至っていませんよね。

映画化をしたのは宮崎監督が引退した後に公開となった米林監督によるもの。

 

 

この理由について「思い出のマーニー」の制作に携わったスタジオジブリの西村義明プロデューサーは以下のように語っています。

 

その「生涯映画化は出来ない」理由について米林監督は以下のように語っています。

 

 

 

文庫作品と映像作品で決定的に違うのが、心情の変化の表現の仕方です。

映像作品ではすべての心理的な変化などをナレーションなどでやったら、それはそれはつまらないものになります。

風景や表情の変化などでその心情を表現しなけれないけません。

 

しかし、文庫作品は心情が変化していく様を何行にもわたって文章化します。そこでどのような表現で文章に起こすか・・・そこに才能の有無さえも現れてしまいますよね。

原作の「思い出のマーニー」ではそうした心情の変化などが杏奈の「語り」によって描かれています。

それを映像化する、しかも2時間程度の枠に収めるというのはかなり厳しい仕事だと思います。

 

しかも長編作品は2作目の米林監督。

 

いくら女の子の心情を描くのに定評があっても、かなりしんどい作業でしたでしょう。

個人的には、興行収入とは関係なく結構好きな作品なのですが。

 

しかし、鈴木プロデューサーとしては

「久しぶりにジブリ作品が帰ってきた!」

と言う評価を下しているそうです!

 

 

以上が「アナ雪」と「思い出のマーニー」の関係性。

 

かたやアニメ映画の世界歴代最高興行収入記録を塗り替える空前の大ヒットを飛ばし、数々の歴史を実績を残してきた作品。

 

かたやヒットは飛ばせなかったものの、長編アニメーション制作を一時中断するという発表前に最後に制作された作品であり、ジブリらしさを取り戻した作品。

 

今後両者のスタジオが歩んでいく道によっては語り草になるかもしれませんね。

 

信じるか信じないかは、あなた次第。

 
 

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