「千と千尋の神隠し」にまつわるいくつかの都市伝説の中でも非常に興味深い都市伝説があります。

その1つが「千尋が自分の名前を間違える事件」。

皆さん、お気付きでしたか?

千尋は自分の名前をいつ、どのように間違えたのか!?

また、千尋が名前を間違えるシーンを入れることで宮崎監督が表現したかったこととは?

 

 

 
 

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千尋が名前を間違えるなんて描写は、うっかりしてたら見逃してしまうし、そんなに大層な意味なんて込められていないのでは・・・?

と、思うかもしれませんが、宮崎駿さんが監督ですから、絶対に何かしらの理由があるはずなんです(笑)

しかし、その理由が明かされないから、ここまで面白く憶測が飛び交っているのも事実。

くだらないと思う方も多いかもしれませんが、個人的にはとても興味深いと思うので是非見てみて下さい。

 

 

「千と千尋の神隠し」の作品中にて、千尋は八百万の神々が住む世界に迷い込んでしまいます。

そして両親を豚にされ、ハクと出会い、釜爺と出会い、リンと出会います。

異世界で生きていくためには、湯屋で仕事をしなければいけない必要性に駆られ、湯婆婆と契約することになります。

 

この契約書のシーン・・・。

 

実は、「千と千尋の神隠し」は性風俗を取り巻く現代の少女たちの生きる力を描いた物語というのが構想にあります。

そのため、契約書を交わすシーンは「千尋」という名から、源氏名ともとれる「千」に改名される重要なシーンでもありますが、そこに遊び心なのか、何かのメッセージなのか、面白い描写が存在します。

 

湯婆婆から契約書に名前を書くように指示され、千尋は言われるがままに契約書に名前を書きます。

本来、千尋の本名は「萩野千尋」。

 

しかし、実際に契約書に書いた名前は「荻」の字の「火」が「犬」となっているのです。

 

 

見逃した人も多いと思います。

そもそも、この時点で視聴者には千尋の苗字が「荻野」だという知識もありませんし、この後作品内で再度「荻野」の苗字が出てくることもないため「火」がよく似た漢字である「犬」に変わっていることなど初見で気付く人などほとんどいないのではないでしょうか・・?

日本には同じ意味を表す感じでも古くに使用された文字や、簡略化された経緯などにより二通り異常の書き方をもつ漢字が存在します。

例えば「斉」と「齊」など。

「荻」の字もそのパターンだと思うでしょう。

 

しかし、「荻」の「火」が「犬」に書き換えられた文字は、旧字でもなく、全く存在しない文字なんです。

 

さあ、自分の名前を間違えるでしょうか??

この描写には宮崎監督の遊び心が込められていると思わざるを得ません。

ちなみに、もしも字を間違えた場合、本人が書いたものであれば正式な契約書だとしても受理はされるそうです(笑)

例えば、太郎さんが「郎」と「朗」の字が間違って契約書を書いてお金を借りた場合。

その契約書は無効になるのか?もうお金を返さなくて良いのか?というと、そういう訳にはいきません。

「信義則」(信義誠実の原則)という、民法の規則の中で重要視されている概念があり、細かい間違いなどよりも「常識」を優先する、というルールです。

「郎」と「朗」の字が間違っていても、太郎さんが自分で書いたのであれば常識的に考えて、本人のことだと判断できますよね。

法律には意外と抜け穴がたくさんあるもの、そんな抜け穴をすり抜けて仁義上許されないことをできないようにするためのもので・・つまり、千尋が湯婆婆に、

千尋

「コレ、私の名前じゃありません。漢字が違ってますから、湯屋で働く契約なんかしてません。」

とか言っても、法律は湯婆婆の味方、ということです。

名前の書き間違いくらいでは契約書は無効にはならないのです。

 

 

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理由を検証

ではこの描写に関してネット上の噂や推測も含め、何故このようなシーンが描かれているのかを検証していきましょう!

 

緊張から間違えた

この理由はあまり面白くはないのですが、かなりもっともな気にもさせられる理由です。

いきなり異世界に迷い込み、ハク様に出会って少し安心はしたけど、優しいハク様はすぐにいなくなってしまい、無駄に迫力だけある黒柳徹子みたいな髪型した婆さんにあれだけすさまじく凄まれたら、恐怖のあまりすくみ上ってガタガタ緊張しない方がおかしいです(笑)

しかし、契約書に名前を書く場面というのは、幼くても、その重要性は感じられるはずです。

そのような場面で、いつも書いている名前を書き間違えるというのも・・・という感じがしますが。

 

 

10歳であるため間違えた

千尋は設定上10歳、小学校4年生です。

10歳の頃って、名前を漢字でフルネームで記入し始めた頃かなと思います。

小学校では、習った漢字から名前を漢字で記名し始めます。

 

最初は「にほん たろう」と平仮名で書いていた名前も

1年生の間に‘日’と‘本’の字を習うので2年生の持ち物には「日本たろう」

2年生では‘太’の字を習うので、3年生の持ち物には「日本太ろう」と記名するようになります。

‘郎’の字は6年生になっても習わないのですが、4-5年生くらいになると名前は漢字で書けるように指導されます。

 

「荻野千尋」の‘野’と‘千’は1-2年生で習いますが、‘荻’と‘尋’は6年生になっても習いません。

ですので、習っていないけど一応書けるようにしてあった漢字であった可能性が高く、書き慣れていないという理由で間違えたとも考えられます。

 

 

ハクの忠告が理由&湯婆婆の能力の一端

千尋が名前を書き間違えた理由として最大の要因なのではないかと言われている説があります。

 

それが

「ハク様が千尋に対して事前に本当の名前を湯婆婆に教えてはいけないと忠告していたため」

というもの。

 

この忠告のため、千尋はわざと本当の字ではない誤った字を書いたと言われているのです。

この情報はかなり出回っていますが、実はハク様が千尋にそのような忠告をするシーンはありません。

 

確かにハク様は千尋にこう言ったシーンはあります。

ハク

「名を奪われると、帰り道が分からなくなるんだよ。私はどうしても思い出せないんだ。」

ハク

「湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもは千でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ。」

これらの言葉が、上記の忠告に代わるものかと思いますが、これは契約書のシーンの前ではないのです。

 

あと、多く語られているのは、上記の、

  • 自分の名前を忘れてしまうと帰れない
  • 湯婆婆は相手の名前を奪うことで支配する

ということの初期症状が、すでにこの契約のシーンで表現されており、荻の字が「火」だと思い出せず、「犬」と書いた、という説もあります。

伏線のようなものでしょうか。

そのような可能性は考えられますね。

 

 

「もののけ姫」サンとの関係性

実は「もののけ姫」のサンの子孫が千尋である、という裏設定があるのです。

千尋が書き間違えた「犬」とは「山犬」の事であり、そこから自らを「山犬」と自覚するサンとの繋がりを感じさせるという取り方ができ、「もののけ姫」と「千と千尋の神隠し」の関連性を示している・・説も存在します!

これはあくまでも都市伝説的な考え方です。

 

またこれとは別に、同じく「もののけ姫」のアシタカの子孫がハクである・・という都市伝説もあり、「千と千尋と神隠し」は古からの深い縁が時を経て交わる数奇な物語として紡がれているのかもしれません・・!

 

※詳しくはコチラを参照下さい。

 

 

以上が、千尋が自分の名前を書き間違えた理由として考えられているものになります。

どれがお好みだったでしょうか??(笑)

あとは宮崎監督の心を読み取りながら判断するしかないと思います。

 

 

では、ここからは千尋が名前を契約書に書く描写に関して少し掘り下げて見ていきましょう。

 

 

言葉の重要性

「千と千尋の神隠し」では、言葉1つ1つが持つ力というのがものすごく大きな影響力を持っていると感じられます。

例えば湯屋で仕事に就く際にも「いやだ」とか「帰りたい」と1言でも口にしたら、湯婆婆はたちまち千尋を放り出して子豚や石炭に変えてしまう。

逆に、「ここで働く」と千尋が言葉を発すれば魔女といえども無視することができない。

本心ではなかったとしても「ここで働きたい」という言葉を無視することができないのですね。

言葉の力、「言霊」を感じさせます。

 

そして同時に名前も非常に重要な意味を持ちます。

「千尋」は自分の名前「荻野千尋」を奪われて、「千」という名前に変えることで相手に完全に支配されてしまうため、「千尋」という名前を決して忘れてはいけないとハクに忠告されます。

 

話にある「大工と鬼六」という物語の中では、川に橋をかけようとあくせく働いていた大工が鬼と出会い、鬼は大工に代わって立派な橋をかけてやることになります。

しかしそんな美味しい話はなく、橋を架けた代償として、大工の目玉をよこせといいだします。

当然大工は勘弁してもらえるように交渉しますが、鬼は自分の名前を当てることができれば目玉をとるのは勘弁してやると提案します。

そこで大工はひょんなことから鬼の名前を知り、見事に名前を言い当てることに成功!

鬼を追い払いました。

 

た「グリム童話」の中の「ルンペルシュティルツヒェン」という話では、ある娘が王様から無理難題を押し付けられて困っているところに小人がやってきます。

娘は最初に首飾り、次は腕輪、最後に結婚して生まれてくる最初の子供と引き換えに小人に助けてもらいます。

その後、娘は王様と結婚して子供を産みますが、小人が現れて子供を連れ去ろうとします。

娘が必死に懇願すると、「俺の名前を当てることができたら子供は諦める。」と譲歩。

娘はほんの偶然から名前を知ることができ、「ルンペルシュティルツヒェン!」と、小人の名前を言い当てる。

小人は走り去る、もしくは自分で自分の体を引き裂く、というラスト。

 

欧米では妖精や悪魔等の名前を知ることで支配・制御できるようになると考えられていたようですね。

昔話を読むことで、その社会での暗黙のルールを読み取ることが出来ます。

 

「名前を知る=対象を支配すること」

 

このように昔から、本当の名前というものは相手を支配するほどに大きな影響力を与えると考えられてきたのですね。

日本と海外、共通の概念だという点も興味深いです。

「千と千尋の神隠し」でも、そのようなシーンを見せつつ、その中で、上記のように名前を間違えるという描写があるということで、千尋は異世界に支配されないという強い精神力のようなものを表現したかったのかもしれません。

 

 

契約書の必要性

しかし、ここで1つの小さな疑問が生じます。

それが、この異世界の不思議な場所では言霊という言葉の発する力が非常に大きいのならば、わざわざ「契約書」という書面での契約は必要なかったのではないか?ということです。

このシーンで湯婆婆は千尋に対してこう言い放ちます。

 

これを聞くだけでは、頭に「?」が浮かんでしまう人も多いかもしれません。

「ちひろ」のどこから「せん」を抽出したのか・・?と。

「ちひろ」は「千尋」という文字で書く・・・だから「千尋」の「尋」の文字をとって「千」なのか、ということを理解しやすくしているのですね。

あのように契約書に名前を書き、その字が湯婆婆に消されてしまうという映像があったればこそ、小学生にも何が起きたか理解しやすくなっています。

それに加えて、上記の名前を書き間違えるという描写を含ませたかったがために、このような見せ方にしたのでしょうね。

 

 

以上で終わりたいと思います。

都市伝説感を抜けないですが、それでこそ都市伝説。

今後も面白い都市伝説を紹介していきますのでよろしくお願いします。

信じるか信じないかはあなた次第!

 
 

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